実に半年ぶりのブログ更新ですが、あまりにいい本が最近出てきているため筆を執ることにしました。
初学者のための21世紀のファイナンステキスト「How Finance Works」
まず1冊目は、How Finance works
ハーバード大学教授がビジネススクールの学生にどうすればファイナンスの本質を分かってもらえるかを考えに考え抜いた1冊
ツイッターでもものすごい反響がありました。
最速レビュー
「How Finance Works」https://t.co/o5X4bYoR3qこれはファイナンス入門書の決定版になりそう。
Kindleでは明日発売。
・業界当てクイズからの財務諸表理解
・Amazon、Netflixで理解するFCFと時間価値
正直「やられたっ」と思った。
こんな本が書きたかった。
欠点は本の形だけ、、、 pic.twitter.com/nrno0HJmw8— 加瀬谷 真一 (@KessanMaster) February 5, 2020
予想通りの素晴らしいカリキュラムに仕上がっています。
横長の形が読みにくいのでKindleでの購入を推奨です。
ファイナンスの基礎となる財務諸表分析
まず、第1章は財務諸表分析セクション。
マイクロソフト、アマゾンを含む14業種14社の財務数値を見ながら会社を当てるクイズで学ぶスタイル。違いを理解しながら学べるので財務分析の本かと思うレベルの完成度で財務諸表の読み方を学んでいきます。
事例豊富なファイナンス
時間価値を学ぶためにAmazonやNetflixの営業利益、FCFの推移を出し、
DCFを学ぶために、Nikeやコーニンググラス、鴻海シャープ
とにかく事例が豊富、株価推移や実際の企業のβ散布図等図表を見ながら実務のファイナンスが学べる仕組みが作られています。
ファイナンスを学ぶための株価分析なのでただの投資本とは一線を画し、理論としてのファイナンスもしっかり学べる構成でした。
実務家の応用がわかる
本書のもう一つの特徴が実務家からのコメント
世界トップクラスのビール会社 ハイネケンのCFO ローレンス・デブロー
グローバルバイオテック企業 バイオジェン元CFO ポール・クランシー
モルガンスタンレーPEグローバルヘッドのアラン・ジョーンズ
スコーピアキャピタル共同創業者 ジェレミー・ミンディック
元株式調査会社バーンスタインのアルベルト・モエル
5人の専門家コメントから実施に理論をどう現場で使いこなしているのがわかります。
一度大学時代にファイナンスを学んだ人でも勉強になる1冊に仕上がっており自信をもって紹介できる1冊です。
ガバナンスが学べるCFOのための資料集 CFOポリシー
早稲田大学客員教授であり、エーザイのCFOという稀有なキャリアを持つ柳さんの著書。
※現在Amazonの在庫切れのようです。
機関投資家への豊富なアンケートに基づいて今CFOや企業に何を求められているかを記載されています。
・日本企業の現預金・有価証券100円をいくらで評価しますか?
・ESGをPBRに織り込みますか?
・配当政策で重要なことは何ですか?
といったような興味深い質問の回答結果からCFOが学ぶべき機関投資家の意見がわかります。
また筆者が実際にエーザイで使用している投資意思決定プロセスが紹介されており一読の価値あり。
最近はやりのESGを企業行動にどう織り込むかも勉強になる一冊でした。
AVIのTBSへの株主提案やセブンイレブンに冷機を納入している中野冷機のガバナンス改革などの実例も面白い。
実際のCFOやIR担当者、ガバナンスに興味のある方は読んでみたい1冊です。
公認会計士。毎四半期、数百社くらいの決算資料を趣味で読みながら特徴的な決算について解説しています。「〇〇最終大幅赤字」といった表面的な報道があまり好きではなく、しっかり中身を語りたい。業界別に企業を比較しながら優良企業の強みにせまります。海外業務中心なので米国企業も強め。
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